面接官の研修未経験が6割超―採用の質を高めるには?

面接指導

エン・ジャパン株式会社が運営する人事・採用担当者向け情報サイト『人事のミカタ』は
企業の人事担当者を対象に「面接官」に関するアンケート調査を実施し、179社から回答を得ました。

この調査は、採用活動の成否を左右する面接官の実態を明らかにするもので
以下のような重要な課題が浮き彫りとなりました。

1. 経験は豊富でも、研修は不十分な面接官

調査結果から、面接官としての経験が「10年以上」と回答した人事担当者は37%を占め
長年の経験を持つ面接官が一定数存在することがわかります。
これは、採用業務がベテラン担当者に集中している可能性を示唆しています。

一方で、面接官としての研修を受けたことがあると回答したのはわずか36%にとどまり
6割以上が研修未受講であることが明らかになりました

このことから、経験があっても
体系的なスキルを学ぶ機会が不足している現状が浮き彫りになっています。

これにより、個々の経験や勘に頼った面接が横行し
採用の質にばらつきが生じるリスクがあると考えられます。

2. サポート体制の不足がもたらす面接の非効率化

社内で面接官を担当できる社員数は「3〜5人」が最も多く(53%)
従業員規模に応じて面接官の人数が増加する傾向が見られました。

また、面接のサポートツールについては
約半数の企業が「適性テスト」(48%)「オンライン面接ツール」(48%)
「面接評価シート」(45%)を使用しているものの
4社に1社は「特に使用していない」と回答しています。

この結果は、多くの企業が面接官の人数やツールといったリソース面で
十分な体制を整えられていない現状を示しています。

適切なツールがないことで、面接官の個人的な評価に頼らざるを得ず
客観的な評価が難しくなるという課題が生じます。

3. 面接官の悩みと、その解消に向けたヒント

人事担当者の81%が面接官としての悩みを抱えていることが判明しました。
具体的な悩みの上位は、「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」(84%)
「候補者の本音や意欲を引き出す質問が難しい」(70%)でした。

これらの悩みに対し、53%の企業が
「候補者の回答を深掘りする質問を準備する」などの対策を実施しています。

また、他社の面接官に教えたいノウハウとしては
「面接ですべてを見極めることはできないので、『この人と働きたいか』だけを考えると
自ずと聞きたいことが見えてくる」といった意見が挙げられました。

これは、形式的な質問ではなく
候補者との「相性」や「協調性」といった
本質的な部分に焦点を当てることの重要性を示しています。

結論:採用成功の鍵は、面接官の育成とサポート体制の強化にあり

今回の調査結果は、採用活動における面接官の育成とサポート体制に
多くの課題があることを浮き彫りにしました。

経験豊富なベテランが多い一方で、体系的な研修の機会が不足しており
「勘」や「経験」に頼った採用が一般的になっている現状が見て取れます。

企業が優秀な人材を確保するためには、これらの実態を踏まえた上で
以下の点を強化することが求められます。

  • 面接官研修の導入:候補者の能力や適性を客観的に評価するためのスキルを習得させる。
  • 評価ツールの活用:評価シートや適性テストを導入し、面接の質と効率を向上させる。
  • 面接官の意識改革:「この人と働きたいか」という視点を共有し
    本質的な見極めを可能にする。

面接は、企業と候補者が互いを理解し合うための重要なプロセスです。
その質を高めることが、ひいては企業の成長に繋がるという認識を
企業全体で共有していく必要があります。

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